2014年12月9日火曜日

但見先生のコラム、「井の中の蛙」復活!

 皆様お久しぶりです、但見ゼミです。最近あまり更新できず申し訳ございません!ゼミ新歓のシーズンになりましたね!

 私達の先生、但見先生は以前にちゅーじあむというサイトで中国のコラムを書いていました。先生らしい非常に軽快で独特な語り口で人気だったのですが、ちゅーじあむが最近更新が止まってしまったということで、この度ゼミの方で復活させることになりました!

  →「井底之蛙 〜井の中の蛙〜」

 今後更新情報はtwitterとブログの方で告知させていただきます!ゼミに興味がある方、中国の文化や中国の法制度に興味のある方、どうぞよろしくお願いします!

 そろそろ新歓情報も書かなければ…!(汗)

2014年3月5日水曜日

一橋中国法セミナー 刑法

 皆様、お久しぶりです!授業も終わり、休みに入りましたが皆様いかがお過ごしでしょうか?私及び三年生は就職活動であちこち歩き回っています!さくっと終わらせていきたいですね…

今回は専門家の方が多く、発表者でないのにも関わらず、緊張しました…


 そんな中、先日3月4日に第5回一橋中国法セミナーが開催されました。今回のテーマは刑法です! 今回は武漢大学から熊琦先生をお呼びして、中国刑法の現状についてお話していただきました!


右:今回の主役の熊先生、左:通訳の葉晶珠さん

 熊先生は中国刑法学の大御所、馬克昌先生の最後のお弟子さんで、ドイツ留学などから大陸法と中国法の比較を通して中国刑法の研究をしていらっしゃいます。今回は中国刑法の犯罪の定義である「社会的危害性」と大陸法側の比較、世論の声に判決が左右される「メディア裁判」、そして訴えてもなかなか起訴に至らない「立案難」について解説していただきました。

ホワイトボードに説明を書き込む但見先生


 まず、我々日本や欧米諸国の刑法(大陸法の刑法)における犯罪の定義は、「構成要件に該当する違法で有責な行為」と理解されています。それに対して、中国は儒教の伝統的な考え方とソビエト刑法の影響で、犯罪を①「社会危害性のあるもの」と捉え、それに付随して②「刑事違法性のあるもの」③「刑罰を受けるべき可能性」を考慮した上で犯罪かどうかを認定しています。

 「社会的危害性」の特徴としては、その行為の危害性について社会が判断できること、法的なアプローチよりも実質的アプローチの方を重要視する点にあります。つまり、法解釈によって論理的な判決を導き出せても、世論の反応が厳しければより厳しい判決が下るケースもあるということです。よって裁判官は①純粋な法解釈と、②実質的に妥当かどうかの2つから考え、後者の方を優先して判決を出すという仕組みになっています。よく中国の法律の不安定性について議論されますが、それはただ単に行政の力が強いから、というだけでなく、以上のような刑法論にも原因があります。もう一つは、数字というハードルを重視している点にあり、一定の基準(例えば賄賂であれば~元から、など)を超えて初めて「社会危害性のあるもの」として判断するところに特徴があります。

途中から通訳は但見先生に交代しました


 実質的理解として犯罪を「社会危害性のあるもの」と捉えている中国では、メディアの声が裁判官の判断基準の一つとして作用します。具体例としては、飲酒運転によるひき逃げ事故を行った警察官がメディアによって大々的に報道され、死刑になった張金柱事件などがあります(参照:「中国の刑事裁判における「メディア裁判」現象の法文化的背景」)。メディア裁判は、民衆の怒りを収めるためのガス抜きとして機能していますが、同時に法的安定性が問題になっています。

 次に問題になるのが、「立案難」。中国では「社会危害性」を判断できるのが法律の専門家のみでないことから、警察官に起訴する権限が与えられています。 そのため、例えば犬が逃げ出して他の人を傷つけた場合など、法的に判断したら犯罪と判断できるものを警察官が取り扱ってくれないなど、中々事件を起訴(立案)に持ち込めないという問題が生じています。

 今後中国刑法学はこういった問題に対してしっかり対処するため、今後も大陸法を学んで近づいていく必要があると結論を出して熊先生の話は終わりました。


日米中の刑法ご専門の王雲海先生の解説


刑事弁護で有名な村岡啓一先生
今回のセミナーに対してフィードバックをしてくださったのは、比較刑事法の王雲海先生と、刑事弁護の村岡啓一先生です。王先生からは、中国刑法学会における日本刑法学の現在の注目度について、村岡先生からは日本側からの今回の中国法の現状に対するコメントを頂きました。日本と中国の一番の違いは、やはり「司法への信頼」があるようで、今後中国は司法の独立が無い中どうしていくかが課題として残されているという結論に至りました。

塚田農場の店員さんによる粋なサービス


セミナー終了後の飲み会、熊先生と共に…

 以上セミナーのレポートでした!飲み会では日本語と中国語が入り混じった面白い空間になり、店員さんも中国語のサービスをしてくださるなど、非常に楽しい会になりました!次回の更新は年度終わりの飲み会か、新ゼミテンが入ったあとになるか分かりませんが、今後とも但見ゼミをよろしくお願いします!

2013年12月1日日曜日

一橋中国法セミナー 独占禁止法

 ゼミ新歓や就職活動が同時に来て、3年生にとって厳しい季節がやってきました!両方とも大事なイベントですので頑張りましょうね!


司会を務める但見先生


 昨日第4回中国法セミナーが開催されました!今回のテーマは独占禁止法。独占禁止法というと、最近の日本の事件でこんなものを思い出しますね→「朝日新聞:JASRAC訴訟、公取委が上告へ」中国の独占禁止法はどうなっているか、そして今後どうなるのか、それについてのセミナーとなりました。

左:一橋大学博士課程の周さん(通訳)、右:上海交通大学の侯副教授、


 今回講演をしてくださったのは、上海交通大学の侯副教授です。2008年に制定されてから五年目を迎える中国の独占禁止法の基本的な内容、法執行機関について、そして今までの独占禁止法の法執行に対する評価を報告していただきました。

今回発表されたパワーポイントのまとめ


 まず、中国独占禁止法と日本独占禁止法の違いについて少しご紹介しますと、以下のようなものがあります。

適用除外規定
・日本:明確な適用除外規定(知的財産権に関する適用除外など)がある
・中国:厳密な適用除外規定がない

刑事罰
・日本:あり
・中国:なし

 また、中国には行政独占行為(行政が自分の地域の産業をより発展させるために、他の地域の産業に制約をかけるような行為)を禁止する規定があるのも特徴です。しかしながら行政を取り締まることは現実的には厳しいため、この規定は「牙のない虎にすぎない」とも揶揄されているそうです。

法執行機関のイメージ図

 次に法執行機関について。日本及び世界では、基本的に独占禁止の管轄行政機関は一つです(日本であれば公正取引委員会)。しかしながら、中国では3つの機関(工商総局、発展改革委員会、商務部)が、それぞれ担当を分けて管轄しています。そしてこの3つの機関の上に、互いの機関の連携を図る国務院独占禁止委員会があります。ちなみに法執行機関を決定するのには時間がかかり、独占禁止法制定のあとに管轄機関が決まったそうです。

今回は参加者が前回よりも多かったです


 評価についてですが、中国の独占禁止法自体が非常に原則的なものであったために、管轄機関がガイドラインを定めるまでほとんど処分された事件がありませんでした。しかしながら、ガイドラインがある程度定まった2年目以降は急激増えており、現在では大分機能しているそうです。

 懸念と考えられるのは、機関の人員不足と法執行の透明性です。この二つを解決することが、今後の中国独占禁止法の課題と締めくくりました。

日本で独占禁止法といえばこの御方、(左側)矢吹弁護士。

 コメントは独占禁止法関連の仕事を多く受け持つ独禁法のプロフェッショナル、矢吹先生が行いました。矢吹先生の豊富な知識に、侯先生は「私より詳しいのでは」とたじろいでいました。

 二方とも、中国の独占禁止法に関しては積極的に評価していました。というのも、他国での独占禁止法制定から機能するまでは基本的に何十年単位の時間がかかっているにも関わらず、中国は数年でここまで機能させることができたからです。現在はまだ、「国内の企業を保護するためだけにしか機能していないのでは」と思われている中国の独占禁止法ですが、今後の動きに注目です。

参加者の皆さん、ロースクール生が多くて圧倒されました…


 以上レポートでした。次回は知的財産についてだそうですよ!2月頃、一橋大学の佐野書院で行われるそうなので皆様も是非ご参加ください!それではまた!諸事情により中止になりました…申し訳ございません。

2013年10月27日日曜日

一橋中国法セミナー 環境問題

 一橋祭も近づいてきましたね、皆様いかがお過ごしでしょうか!但見ゼミです!
昨日、我らが但見先生が司会を務めた「一橋中国法セミナー」が開催されましたので、それについてのご報告をいたします!

あいにくの天気でしたが台風が来なくて良かったです

   場所は、一橋大学千代田キャンパスの学術総合センターでした!なんとこの日は表の入り口が閉まっており、裏口からでないと入れないという状況だったので、参加してくださった皆様は少し迷ってしまわれたのではないでしょうか…私も迷いました。

パソコンとディスプレイの接続をチェック中の但見先生

  今回のセミナーのテーマは、ずばり「環境」。中国といえば、最近では北京がPM2.5の霧で覆われたり、川の色がカラフルだったり、というイメージがあると思います。
この環境問題に対し、中国が現在どういう取り組みを行っているのか、そしてそれの問題点、解決策は、といった話を集まった先生方にしていただきました。

環境法の位置づけについて話す趙先生と通訳の文先生

  上海交通大学の趙先生(通訳には早稲田大学助教の文先生)と、知的財産に強い華誠法律事務所の弁護士の徐先生に中国の現状についてそれぞれの立場から中国の環境問題に対する法的なアプローチとそれの効果について講演していただき、それに対して中国の環境問題について取り組まれている神戸市立外国語大学の櫻井先生と、中国関係の実務に強いことで有名な弁護士の暁先生にコメントをしていただきました。

環境保護ビジネスの観点から解説した徐先生

 今回のセミナーでキーワードになったものは、「十二・五」、第十二次五ヵ年計画です。これは、第十一次五ヵ年計画まで取り組み発展してきた中国経済の裏で発生していた様々な問題を解決するために建てられた計画であり、その中に環境問題への取り組みについても盛り込まれています。

 近年の法整備としては、環境汚染に対する刑事犯罪の判断基準を明確化する司法解釈が最高人民法院(中国の最高裁判所)と最高検察院から出されるや、政府官僚の評価基準に環境面での業績評価を盛り込むなどが挙げられます。法律そのものについては大幅に改善されたと言っていいでしょう。

先生方の講演の合間に但見先生の司会

 しかしながら、法律はよくてもそれが行政にしっかり行き届くか、という疑問点が挙げられます。例えば北京でのPM2.5の問題は元々中国の観測では基準値には満たしてなかったので安全、というはずでした。しかし在中アメリカ大使館のPM2.5の観測結果がtwitterに挙げられ、それを見た中国人がネット上で拡散して「基準値大幅に超えているのでは!」と大騒ぎしたことから、ようやく政府にも取り上げられました。このように、調査の段階でストップしてしまうと、法律の問題として取り上げられる以前の段階で止まってしまいます。難しい問題です。


参加者に支給されたタリーズコーヒーのスイーツ

 こんな感じで、中国実務の最前線でご活躍されている先生方の貴重なお話を聞くことが出来ました!次回は11月頃に開くそうなので、興味のある方は是非ご参加ください!以上レポートでした!

2013年9月4日水曜日

ゼミ合宿@熱海


海を背景に記念撮影

 皆様、お久しぶりです、夏休み楽しんでいますか?!但見ゼミです!
 9月2日~4日まで合宿に行ってまいりました!

海を眺める但見先生と天気が気になる二人

 但見先生の希望で、「海が見える宿がいい!」となり、熱海で合宿をすることになりました。
 9月に入り大分人が少なくなっていたので、非常に海辺はゆったりとしていました。

資料をめくりながら議論中

 合宿中の活動は、各々の課題を発表→観光→発表といったスケジュールで進んでいきました。夏休み前に先生から各々が勉強している分野についての課題を出されて、4年生と院生の根本先輩は論文に向けて研究の整理、3年生は与えられた資料のまとめ等を行いました。

 発表に先生がところどころつっこみを入れつつ互いに質問をし合い、終了後に先生から各々の次回の課題を提示してもらいました。夏休み明けにその課題について発表することになりそうです。

飯屋を探すのも合宿の醍醐味ですよね

 熱海で何よりも良かったのは食事です!特に印象に残っているのは、「おやじの蔵」というお店にのイカ焼き豚の角煮です。店長は「うちの食事は全部おいしい!」と豪語していて、本当にそのお店の料理は全て絶品でしたが、この二品は抜きん出ていました。おいしい!

目つきは真剣そのもの

 景色良し、飯良し、発表は多分(?)良し!の三拍子そろった合宿でした!

 次の更新は冬学期活動開始のときになると思います!それではまた!

2013年7月31日水曜日

西村あさひ法律事務所見学

 期末試験お疲れ様でした!但見ゼミです!試験が終わったということで、本日は西村あさひ法律事務所へ見学にいきました!

六本木一丁目駅で待ち合わせ中

 今回の見学では、西村あさひ法律事務所で中国法の実務に携わる弁護士の先生三人にお話を伺ってきました!

西村あさひ法律事務所の甲斐先生(左から二番目)との記念写真

 本日の見学の流れとしては、まず中国法の実務に関する話の紹介をJETROの「模倣対策マニュアル中国編」などでおなじみの野村先生にレクチャーしてもらい、その後弁護士の先生お二方と懇親会的なものを少々、最後に法律事務所内を見学させていただきました!
 写真撮影は会議室のみの許可でしたのでご紹介できませんが、ドリンク室や図書室などすみずみまで見ることができ、法律事務所の放つ雰囲気に圧倒されっぱなしでした…

事務所内見学前に一息つく但見ゼミの面々

 印象深い話としては、中国では人脈が重要であるから自身も人脈を作って対抗しなければという誤解があるが、人脈は現地の人に勝てるわけがないので、書面をしっかり作ることによって対抗することが重要という話がありました。他にも中国人の法意識などの紹介があり、改めて日本人との法律に対する認識が違うんだな、としみじみ。

左から肥後先輩、根本先輩、中国知的財産のプロの野村先生

 見学が終わったあとは、但見ゼミの飲み会によく顔を出してくださるアンドレアさんを加えて西村あさひの野村先生と甲斐先生と一緒に飲み会に行きました!中国の知的財産を勉強し始めたきっかけや、中国のアニメ事情などサブカル的な話までしてくださいました!

 本日見学のご協力をしてくださった野村先生、甲斐先生、六川先生、本当にありがとうございました!今後ともよろしくお願いします!

2013年7月18日木曜日

夏期の活動まとめ

 どもども、但見ゼミです。ブログがようやくできたと思ったら夏の活動が終わってしまいました!
今回は夏の活動について振り返って行きたいと思います!

卒業アルバム写真撮影にて

 と、その前にまず但見ゼミの現状についてちょっとご説明。

 私達のゼミは、二年前にできたばかりのゼミで、現在は4年生が1人、3年生が3人、ゲストとして大学院から参加してくださっている方1人という非常に少人数のゼミです。昨年度は先輩が1人で先生とタイマンだったらしく、グループでゼミを行うのは今年度からということになりますね!そんなわけで、今年の最初は色々と模索しながらゼミの流れを作ってました。 

 とりあえず今のところは前半の一限を中国法の入門書の本読み(三年生のみ)、後半の一限を各自の調査報告となっています。各自の調査報告は、自分が興味を持ったことについて先生から資料やアドバイスをもらって発表ー!という形をとっています。ADR(裁判外紛争解決手続)、競業避止の問題、知財全般、商標侵害の具体的事例、環境問題等、様々な分野に取り組んでいます!

初の飲み会(6/13)

 そんな手探りの中だったので、飲み会をようやく開けたのも始まってから結構後でした!そして更に但見先生からの「美味しくなきゃちゃぶ台返しだ!」という指令が。記念すべき初の飲み会は「比内や」で開かれ、おいしい地鶏とお酒で先生ゼミテン共々大満足の会となりました!

東京大学駒場キャンパス、阿古ゼミ見学(7/3)
 
 ゼミ発表以外の活動では、但見先生の知り合いで東京大学の大学院で中国政治について研究している阿古先生のゼミに見学に行きました!最初に阿古先生が実地でインタビューを行なっていた訴訟村の話を聞き、丁度その前のゼミで信訪制度(行政に直接訴える方法の一つ)について勉強していたので裏で盛り上がったりしました。普段法を中心に見ている私達にとって、大分アプローチが違ったのでとても刺激的な一日でした!

東大駒場キャンパスのカフェKOMOREBIにて


 今回はブログを立ち上げたのが大分後だったので夏の活動をひとまとめにしましたが、今後は活動のたびに報告していきたいと思います!ゼミに興味が有る方、中国に興味が有る方、その他の皆さん、今後ともよろしくお願いしますー!